エゾヒグマ (旭山動物園)
とんこ ♀ 1999年4月30日 中頓別町にて幼獣で保護
以下、現地掲示板の文章です。
『とんこはなぜ動物園にいるの?』
1999年4月30日、子連れの母グマが中頓別町に現れました。
人間の安全のため、やむなく母グマは射殺され、子グマは生け捕られ、動物園に引き取られました。メスの子グマは中頓別の『とんこ』と名づけられました。人間に母親を殺されたとんこが来園者の人気を集めているのは皮肉なことでもあります。とんこが動物園で暮らしている意味とはなんでしょう?
ヒグマと人との事故をさけるために、わたしたち人間の側が気を付けるべきこともあるのです。
①山に入るときはくま鈴をつけ、なるべく大勢で入る
クマに人の気配を知らせることで、出合い頭の事故を防げます。
②山にごみを捨てない
山にお菓子の袋やジュースの空き缶などを捨てると、クマが人間の食べ物の味をおぼえ、やがて人里に近づくようになってしまいます。
③山でクマの糞や足あとなど痕跡を見つけたら速やかに立ち去る。
このようなちょっとした心がけで、ヒグマと人との事故を減らすことができるのです。
とんこを通じて、「人とヒグマの共存について」みなさんにより深く考えていただけたら、それこそが動物園でとんこを飼育している意味なのではないでしょうか?
とんこも人里にさえ近づかなければ、名も無き野生のヒグマとして、山の中でくらしていたことでしょう…。